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「英語にまつわる気になる記事」

2014年12月10日

今日は! 過ってSC-D2がSC-35と言った時代に主に活動していたOBです。
米国で起きた911事件は、外部からのテロ攻撃ではないのではないかという評価も出て来る昨今ですが、
今年の9月11日号の日経新聞に興味深い記事が二つ掲載されていました。
一つは「あすへの話題」と言うコラム欄で、英語が母国語になるのは幾つから英語に接している人であろうか、
と言う興味深い話です。海外駐在していた時に、中2の息子と小3の娘をインターナショナルスクール(英語)に
入れたそうですが、息子は日本人としての自覚も芽生えつつあり、欧米流に対する反発もあったものの、
現在は「英語が流暢な日本人」として育った。しかし娘は、最初の一月は帰宅する度に嘔吐するような
拒否反応が出たが、「体全体」として英語を受け入れられた。今や「日本語が上手ですね」と言われ、
英語が母国語になった。このコラムから10歳前後までに英語漬けになると英語がネイティブになり、
それを越すと英語を流暢に話せても日本語がネイティブである、と言うところが垣間見えてきます。

もう一つは、「英語は数学には適していないのではないか」と言う記事です。英語の数字の表現は、日本
語や中国語、韓国語、トルコ語とだいぶ異なり、複雑である。例えば日本語では「11」を表現するとき、
「十と一」であり値が明確に示されている。
一方英語では、12までは固有の表現を使い、それ以上は例えば17は「七と十が一つ」と表現し、71は
「七と一」となるので子供にとっては、様々な表現を憶えなくてはいけなくなり、明快でなく理解し難いものと
なっている。高校生となると米学生の2014年の国際的な数学順位は、65か国中30位と中国や韓国など
アジア諸国にリードを許す結果となっている。
この内容から見えるのは、12進法の国と10進法の国の差かもしれない。最初に英語に接したときに一番
疑問に思ったことであるが、なんで数字の表現が複雑なのか、それ以外に主語と動詞の順序もそうであるし、
過去形・未来形や単数・複数など、それらの表現の相違が大きいと言うことがあります。
10年ほど前になるが、当時のNHKテレビの英語講座を担当した大西 泰斗先生(現東洋女子短期大学 教授)と
Paul Chris McVayの講義に感じ入ったことがあります。英文法を再構築し、機械的に分類するのではなく
イメージ(フィーリング)として、身体的な感覚として分かろうという主張なのです。「on」とあるとそれは単に
上に置いてあるという日本語とは一対一には対応しない、英米国人の感覚では異なるという主張なのです。
どうも、いくら勉強しても英語は上手くなれないのですが、幸にもCIGREの活動を通じて会話するチャンスは
多々あったということです。そういった環境の中で感覚として英語を通じて、他国の文化・感覚や考え方を
知るチャンスも多いわけで、それに沿うことで、こちらの主張も彼らの発想に近づけられ、理解してもらい
やすくなる。常に思うのは、彼らは多くの質問を投げかけてきますが、何故そういう質問をするのかを、
彼らの背景を知って会話することが大切であろうかと思います。
(文責:SCD2国内分科会フェロー 下位紘一)

【出典】:あすへの話題:日経新聞:平成26年9月11日号、
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO76939730R10C14A9MM0000
英語と数学:WSJ:2014.9.10(2版9.15)、http://online.wsj.com/articles/the-best-language-for-math-1410304008