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おすすめ映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」

2015年8月25日

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┃ ■  新ニュースレター No.27(井島 様/日本電気)
┃    (テーマ:おすすめ海外映画)         
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 日本電気の井島です。

 No.26の四国電力の高橋さま、「謎の円盤UFO」をご紹介下さり感謝です。
当時毎週必ず見ていました。円盤のシュルルルルーという効果音が今も蘇り
ます。スカイダイバーのセクシーな戦闘服も良かったですねぇ。

 さて勢いに乗って、「おすすめ海外映画」についてあれこれ思いを巡らせる
と、「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンの可憐さ、「カサブランカ」
のイングリッド・バーグマンの気品、「哀愁」のヴイヴィアン・リーの美貌、
いぃなぁー。ああ、でもアクション映画も、SF映画も、と迷いはじめたの
ですが、過去の名画はみなさまもよくご存知なのでしょうから、この夏休み
にWOWOWで録り溜めていたものの中から観た作品をご紹介させて頂く
ことにしました。

 2012年のアメリカ映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」を
ご紹介します。監督のアン・リーは、この紹介にあたって調べたところ、
アカデミー監督賞を「ブロークバック・マウンテン」で受賞しており、本作
で2度目の監督賞を獲得しています。映画好きの方には注目の監督であり、
本作もよくご存知かもしれませんが、日頃仕事が忙しく、映画をご覧になら
れていない方に是非お勧めしたい作品です。
 映画を観終わった後は、う~ん、と唸らされ、もう一度映画を反芻する
脳内作業に取り掛からざるを得なくなりました。正直、冒険活劇譚による
カタルシスだけが映画の醍醐味だと思われる方には、お勧めできませんが、
映画には人を考え込ませる力があるのだと実感できる作品です。

 ストーリーは、インドで始まります。名前でいじめを受けている少年が
円周率を暗記することで自らパイと名乗ることでいじめられっ子から抜け出
し、ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教3つの宗教を信奉しながら、
恋もする成長物語が序盤にあります。動物園を経営していた一家が、動物
たちと一緒にカナダに移住するために乗船した貨物船が太平洋で沈没した
ところから、タイトル通り、少年パイが一人でベンガルトラと227日間漂流
する話となります。
 漂流時の映像の美しさには目を見張りますが、あまりに人工的と違和感を
覚えつつ、ある島に漂着したあたりから、これは仕掛けがある映画ではと
確信しつつ、どこに連れて行かれるのかがわからなくなりました。そして、
最終局面でそれまでの世界が壊れて、もう一つの世界が現れ、自分にとって
の真実を探し、それぞれの真実にそれぞれが直面せざる得ないところまで
連れて行ってくれることになりました。

 全体のトーンは、台湾出身の監督のためか、インド中国の説話、芥川龍之介
や「山月記」の中島敦の作品に通じるものがあります。登場するオラウータン、
ハイエナ、シマウマ、ベンガルトラは、何のメタファーなのか?
映像にもいろいろな仕掛けが施されています。
 ご覧になられた方は、きっと、それらを反芻することになります。
そして、人が生きるということについて思いを巡らすことになるでしょう。

 監督の思惑通り作品に酔っ払い、興奮気味なご紹介になりましたこと、
お許しをお願いいたします。
 それでは、サイナラ、サイナラ、サイナラ。

                                 以上

(文責:NEC 井島 功晴/ CIGRE SCD2 事務局)

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