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おすすめ映画「愛と青春の旅立ち」

2015年11月25日

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┃ ■  新ニュースレター No.38(大橋 様/中電シーティーアイ)
┃    (テーマ:おすすめ海外映画)         
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中電シーティーアイの大橋と申します。
今回は,おすすめの海外映画ということでご紹介させていただきます。
この映画を見るきっかけは,大学時代の英語の授業で,映像なし音声だけのヒア
リングがあり,映画の一部分がヒアリングの試験になりました。
そこでいろいろ見た中で,「愛と青春の旅立ち」が印象に残ったのでご紹介させ
て頂きます。

この映画の原題は「An Officer and a Gentleman」(直訳すると「士官と紳士」)
です。日本語のタイトルとは結びつかないタイトルで,慣用句になります。省略
分を補うと「Conduct unbecoming an officer and a gentleman」となり「士官
や紳士に相応しくない行為」です。いまいちピンとこないタイトルです。
これは,アメリカ全軍共通の法律である「統一軍事裁判法」から用いたもので,
士官(課長以上の管理職)に就いてる人は,人間としても立派な紳士であるべきで
あり,それに反したら罰するという法律からきたみたいです。
タイトルだけでも,「愛と青春の旅立ち」という甘いラブストーリーとはかけ離
れている感じがします。

映画のストーリーですが,主人公のザック・メイオ(リチャード・ギア)は,父
親のせいで悲惨な思春期を過ごしていました。そのためザックも荒んだ青年に
なってしまいました。
そんなある日,このままではいけないと思ったのか,父親に,海軍航空士官養成
学校に入ると告げレーニエ基地内の学校に入学します。ここで待っていたのは訓
練教官のフォーリー軍曹による13週間の訓練(しごき?)でした。過酷な訓練も4
週が過ぎたころ,士官候補生は市民との懇親パーティーに出席することが許され
ます。ザックはそのパーティーでポーラと知りあい,週末にデートを重ねるよう
になります。
一方,訓練においてフォーリー軍曹は,仲間と溶けあおうとしないザックを特別
にしごき,士官に向かないから任意除隊を申請せよと迫るが,ザックは「ここ以
外に行くところがない」と叫ぶ。それだけ追いつめられた生活だったのでしょ
う。それ以降ザックは,他の士官候補生と共に行動するようになりました。
この間,ザックの同僚であるシドの話も重要なファクターになります。シドも
ザックと同じパーティーでリサという女性と知り合い,リサの嘘の妊娠にだまさ
れ,リサと結婚しようと任意除隊を申請します。除隊したシドはリサのもとに結
婚指輪を持って駆け付けますが,妊娠は嘘で士官の妻じゃないと意味がないと言
われ,失意のまま自殺してしまいます。
この事件をきっかけにザックは仲間(軍曹にも)に支えられてがんばれていること
に気付き, 13週の厳しい訓練を終えることができました。卒業式を迎えると,
彼らは少尉に任官します。少尉はフォーリー軍曹より上官となるため,卒業生1
人1人に敬礼しなければなりません。ザックはフォーリー軍曹に「君のことは忘
れない」と言い卒業し,そのままポーラを迎えに製紙工場に入り込み抱きあげて
製紙工場を出ていく。という内容。

さて原題との関係ですが,このままでは「士官と紳士」と内容が結び付きませ
ん。が,このように考えるとわかる気がします。
荒んだザック青年は簡単には紳士には変わるなんでことはありません。13週の過
酷な訓練を絶えることで,自分の意志の弱さまでも克服できるという自信や耐え
抜いたという自分への強い信頼感が,身に付くことになり,そのような人間が
「紳士的に生いなければいけない」,「士官らしく振る舞わなければいけない」
と思えば,自分を律することが可能となるでしょう。自分の正しい信念と強い意
志力を備えた人間として変われることができるというわけです。士官とは紳士と
して自らを律することができる精神的に強い人間しかなれず,その精神力を養う
プロセスが必要ということになるでしょう。

この映画では2つの意味があるように思えました。
1つは仲間に支えられていることを気づかされ,誰かの支えになる。そうやって
世の中が支えられているということ。もう1つは,混沌として生活からの脱却へ
の挑戦し,やり遂げる強い精神力(これも仲間に支えられているんですけど)。
映画を見た当時はラブストーリーの分類に入れていましたが,今では,単純なラ
ブストーリーではない感じもします。
この映画は,バブル期前の1982年の映画です。一億総中流階級というハングリー
さが欠けている時代でした。現在は,エネルギー業界も目まぐるしく変化してき
ています。見る人にとって,また,見る時代でどのような受け止め方をされるの
か,ご覧になった方は是非ご感想を!

以上

(文責: 大橋 正敬 中電シーティーアイ/CIGRE SCD2 事務局)


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