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一度は行くべき海外都市+世界の不思議な話「イスラエル編」

2018年6月19日

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┃ ■  ニュースレター No.85 長様/SCD2国内分科会委員)
┃    (テーマ:「一度は行くべき海外都市+世界の不思議な話」)
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いつもお世話になっております。SCD2フェローの長です。
5月に在イスラエルのアメリカ大使館がテルアビブからエルサレムに移転して国際ニュ
ースを賑わせていましたね。懐かしくなったため、今回はこの選定に至りました。

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6年前の2012年4月にイスラエルを訪問しました。トルコ航空のシステム上の問題なの
か日本からチケットを繋げて買うと何故か高額になったため、仁川?イスタンブール
?テルアビブ間の往復チケットを買ったのち、仁川?福岡間は別行程(アシアナ航空)
で購入しました。以下は当時のメモをもとにした総括です。

●最も気になった治安
行く前からナーバスになるほど、イスラエルという地域は地政学上、歴史上、宗教的
にも非常に「治安」が気になる地域でした。出入国審査はどの国よりも厳しく、所有
者不明の荷物が放置されれば、すぐに爆発物処理班が呼ばれるくらいセキュリティに
は気を配っている国です。でも実際に行ってみると、想像以上に安心かつ安全な国で
した。

●渡航のタイミング
2012年4月当時はイランの核施設攻撃が取り沙汰されている頃だったので、「戦争が
始まるかも」という面で少し不安でした。そのため「訪問直前までキャンセルまたは
延期する余裕」をもって行動しました。
航空券は少々お高くても24時間前までなら行き先を変更可能なチケットにして、途中
の乗継空港(私の場合はイスタンブール)で「乗り捨て」という選択肢も準備してお
いたので気分的に楽でした。渡航に不安がある地域に行くときは、これくらい選択肢
に自由度を持っておけば安心できるのでは。(そんなところに行くのはアナタぐらい
だよ、というコメントはさておき・・)

●想定外なレベルでメジャーな観光国
日本人の旅行者は殆ど見かけませんでしたが、欧米はじめ東南アジアなど世界各国か
らの旅行者であふれている国でした。テルアビブなどの地中海沿いは海辺のリゾート。
エルサレムやベツレヘム、ヨルダン川など聖地巡りされる方も多かったです。死海リ
ゾート周辺もかなり大規模な観光地。外国人向けの英語ツアーもホテル送迎つきで選
り取りみどりで、一人旅な私にとってはとても便利でした。

●「パッション」と「ローマ人の物語」
「パッション」は拷問シーンが非常にグロテスクな映画ですが、キリストがどのよう
に処刑されたか?を学ぶにはちょうどよく、私はこれをiPadにリッピングして往路の
飛行機で鑑賞しました。塩野七生さんの「ローマ人の物語」、皇帝ティベリウスの時
代だったと記憶していますが、ユダヤ民族の蜂起とマサダの陥落周辺(文庫本20?22
巻あたり?)も事前に読んでおくとマサダの砦ツアーや嘆きの壁、ユダヤ民族離散
(ディアスポラ)の逸話がスムーズに理解できると思います。

●国内の移動
テルアビブ空港?エルサレム間はシェルートと呼ばれる乗合タクシーが便利です。鉄
道は1時間に2本くらいしかない上にエルサレム旧市街から離れているので意外と不便
でした。
私はテルアビブ中心部からエルサレムに移動したため、バスターミナル経由で高速バ
スを使ってエルサレムに行きました。タクシーは時々ぼったくりがいるらしくメータ
ーは信用できないため事前の料金確認が必要でしたが、全般的に問題なし。今だった
らUBERとかあるかもです。

●金曜15時頃~土曜日20時頃までは安息日
土曜日はユダヤ教徒の安息日(シャバット)にあたり移動も食事もすべて制限される
ため、金曜?土曜は外国人向けのツアーに参加するかホテル周辺の地中海リゾートで
おとなしく過ごすしかないです。金曜の15時頃からシャバットの準備に入るため鉄道
もバスも動きません。ただし空港~エルサレム間の乗り合いタクシー(シェルート)
は本数少ないが動いているという噂でした。タクシーもイスラム教徒やキリスト教徒
が運転手の場合は動いていますが本数は極端に少ないです。道は閑散としておりホテ
ル内のレストランでさえ閉まっている状況で、金曜日の夕食は寂しくマクドナルド
(店員さんはユダヤ教徒以外)でした。

●英語必須
出入国時の空港職員の質問責め(尋問レベル)に耐えられるレベルの英会話能力(リ
スニングとスピーキング)は最低限必要だと感じました。ツアーの場合も、同行の添
乗員さんや複数回イスラエルに出入国するような「旅慣れた人」だけが出入国審査で
必要以上に待たされることもあるようです。英語が話せないから見逃してくれると思
ったら大間違い、徹底的に調べ上げられます。

●パスポート
イスラエルと国交のない、イスラム教を信仰する国への渡航履歴がある人は注意。い
つ、誰と、どんな目的で訪問したのか?を詳細に聞かれます。アラブ諸国だけだと思
っていたのですが私の場合はマレーシアとインドネシアが引っかかり、しつこく問わ
れました。
また、イスラエルの出入国スタンプがあるとアラブ諸国での入国を拒否されるそうで
す。イスラエル出国後にアラブ諸国を訪問する可能性がある場合は、パスポートに直
接スタンプは押さずに別紙への押印をお願いしたほうが良いです。私はパスポートの
期限が切れる直前に行ったため出入国スタンプともに記念に押してもらいました。

●観光地
死海、エルサレムだけでなく、テルアビブの白い建築群など世界遺産が目白押しで、
文字通り楽しめます。その他、聖書でおなじみのナザレ、ベツレヘム、ジェリコ、テ
ィベリヤ、ヨルダン川など観光地たっぷり。南部にはエイラートという紅海に面した
リゾート地もありダイビングも有名だそうです。ベツレヘムなどのパレスチナ自治区
はキリスト教の聖地巡りツアーや死海ツアーに含まれていますが、チェックポイント
通過時にパスポートが必須となります。

●食べ物は美味しい
地中海沿いということもあって、魚介類や野菜が豊富で食べ物は非常に美味しいです。
とくにピタパンを使ったサンドイッチが安くて美味しくてどこでも入手できるのでオ
ススメです。Subwayばりに具材の肉、野菜、ソースを自分で選ぶのですが、お任せで
作ってもらったものが一番美味しかったです。ゴラン高原産のワインも絶品、ヤルデ
ンは日本のお店でも時々見かけますね。

●ふしぎな話?
天照大神やスサノオノミコトはユダヤ人だった説を主張するイスラエル人のガイドさ
んに出会いました。約3000年前、イスラエル王国がアッシリアに占領された時に東方
に逃げた預言者イザヤとその一族というストーリーだそうです。「そんなこと古事記
に書いてないし!」と気になって帰国後に色々調べてみたら、日ユ同祖論なるものを
真面目に研究している方々が日本にもいらっしゃるということが判明。イスラエルで
はまことしやかに信じられている伝説の1つだそうです。気になる方はググってみて
ください。

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といった感じですが、全体的に「想像以上に楽しくて良い国」でした。最近はセキュ
リティ先進国で一気に有名になったため、仕事で行かれる方も昔と比べてずいぶんと
増えたのではないでしょうか?仕事でもプライベートでも、行く機会がある方は是非
行ってみられると良いと思います。私も機会があればもう一度行ってみたい国の1つ
です。

                                  以 上
(文責:シスコシステムズ 長/CIGRE SCD2 事務局)