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その他「トラブルの雑談」

2018年7月31日

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 ニュースレター No.88 (下位様/SCD2国内分科会フェロー)   (テーマ:「その他」)
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今日は、梅雨も終わり暑くなってきました、フェローの下位です。
 先日の日経新聞の紙上でご覧になられた方もおられるとは思いますが、春秋と言うコラム欄に次のような話が出ておりました。
(日経新聞の)記者が取材でオーストラリアに行った時ですが、警察関係者の紹介を受け、関係者の自宅に取材に訪ねたそうです。そうしたら先方は苦笑いで「あなたはいま私に撃たれても文句は言えませんよ」と言われたそうです。日本との勝手の違いに青くなった。わざわざ海を渡って来た記者の振る舞いに呆れ果てたと見え、幸い拳銃は使わずに話を聞いてもらった。・・・というのです。

 この記者がどういった感じで、オーストラリア人に接近したかは定かには分かりませんが、こういったケースを踏まえ、特に私人宅に伺うときなどは、現地の方に同行を願うとか、直前に電話連絡するとか慎重に異文化対応をしなくてはと思いました。特に最近はネットの発達と、自動翻訳の進展で世界が狭くなり、海外との垣根が低くなり、異文化の方をついつい同胞と勘違いし対応し大事になるなど、うっかりミスでは済まされないことが起きそうです。(1992年の米国での留学生ハロウィンパーティ事件を思い出しました。例のフリーズ事件です)

 ところで、一昨年と旧聞になりますが、欧州気儘旅行と題しまして、妻と旅行してきました。妻の希望もあり、主にイタリアとフランスの美術館巡りです。欧州にはパリに入り、先ずはスイスに移動したのですが、早朝に着くAF便で乗り換え迄数時間あります。
欧州到着早々先ず起きたのは、うっかりCDG空港の外の空気が吸いたくて外へ出てしまったここです。そうすると、何が起きるか想像できますか? そうなのです二度と空港へ入れなくなるのです。なぜって?(早朝なのでセキュリティ関係の)職員が出勤していないからです。そんな、なんやかんやがあって、交渉を試みたりしたりしてもカフェすらない外で数時間を過ごし、なんとかトランジットエリアに入りまして、GVA行の便を待っていましたら、何となく変なのです。ゲートにある行先表示板には表示されてはいるのですが、周りの人が減っている。妻がフライトが変更になったみたいよ、と言い出し、係員に確かめると、まさにその通り。機材の不具合であなたの便は欠航である、貴方はGVA止まりだから、貴方の便は2便先でいいだろうと言われビックリしました。妻は語学は不得手ですが勘が鋭い! 係員にGVAからの列車接続があるので、最速の便にしてほしいと交渉を重ね、なんとか予定より2時間遅れでコワントラン(GVA)空港へ到着しました。

 いやはや、そのあとはスイスの旅を満喫できてよかったのですが、その後ベニスから鉄道で移動してローマ、FCO空港からフランスへ渡るときです。空港内の歩く歩道に、不審者がいる、でもそこを通過しないと行けない。仕方なくそ~っと歩く歩道に載って移動したのですが、追っかけてくるという状況となりました。何とか振り切ることは出来ましたが、堂々たる態度でいけばよかったかも知れません。

 そう言えばパリでは、例の子供のスリ団に会いました。地下鉄で移動中に子供が多数乗ってきまして、いつの間にか囲まれたのです。小学校終業時間かな…、これはスリ団かもしれないよと妻と会話したら、物の本にある通り「What time is it now?」と団長らしい小6くらいの女子が声を出し、その瞬間に私の周りは小さい手の集団に囲まれました。やはり来たかと言う事で、ポケットに手を入れて、小さい手を排除しきれたと思うのですが、被害はなかった。次の駅で彼らは走り去っていきました。これは良い機会だから動画に撮ろうかと一時思案をしましたが、とてもその余裕はないという感じでしたね。

 こんなことでこの度の欧州気儘旅行は、旅としては素晴らしいスイスの風景と美術館巡りの目的は達し、妻も大満足と言ては居りますが、一方貴方は隙がありすぎる、と言う評価ももらいなんか権威失墜と言う始末と相成りました。皆様も、トラブルにはお気を付けください。対策としては事前に起こりうることを予見し、出来るだけの対応をしておくことが一番大切かと存じます。BCPと同じでそれでも起きたらどうするかまでですね。
注)AF便:エアーフランス便、CDG:シャルルドゴール国際空港、GVA:ジュネーヴ、
  FCO:フィウミチーノ・ レオナルド ダ ヴィンチ国際空港、BCP;事業継続計画

【おまけ】
 最近読了した本にレイモンド・チャンドラーの「プレイバック」がある。翻訳者のあとがきが興味深かったので一言。以下、翻訳者の村上春樹のあとがき(一部、要約・改変)
1)多くの(日本人)知り合いが印象的だった「決め台詞」があると指摘し、どう翻訳したかについて興味をしめした。 しかし欧米の書評を見ると、この台詞については何も書かれていない。(決め台詞と思っていないようだ)
2)その文章の原文は下記;
 主人公の私立探偵フィリップ・マローに対し「貴方みたいなハードな人がどうしてそんなに優しくなれるのかしら」と相手の女性が語りかける下りにある。
”If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.” である。
各翻訳者の、翻訳例を比較しているが、さて、貴方はどれが好みでしょうか?
A)タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格が無い。
B)タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない。
C)厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない。
D)生きていくのは大変だ。でも優しく生活していきたいものだ。(私の稚訳)
E)生きていくのはてーへんだ、でもな、人に対し優しくなくてはいけねーよ。(寅さん?)
・・・さて、貴方の訳文は?

(文責:イ・エス・エス 下位/CIGRE SCD2 事務局)