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私だけのソウルフード(オランダ)

2023年12月26日

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ニュースレター No.146(寺地様/SCD2国内分科会委員)
 テーマ:私だけのソウルフード(オランダ)
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北海道電力ネットワークの寺地です。
(なんと、5年ぶりのニュースレターです)

皆さんは、オランダ料理と聞いて、何を想像するでしょうか。
何も想像できない人の方が多いかもしれませんね。
有名なのは、塩漬けのニシン(ハーリング)、えんどう豆をつぶしたドロドロのスープ(エルテンスープ)、自販機で買えるコロッケ(クロケット)、サイドではなく、メインディッシュの大量マッシュポテト(スタンポット)等、いろいろとありますが、一度食べたら「もう十分」というものが多い印象です。そんな中、たったひとつだけ発見した私のソウルフードを紹介します。

EU諸国の通貨がユーロに切り替わる頃、在アムステルダムの某政府系機関で働いていました。毎日の楽しみのひとつは同僚と一緒のランチ。市内のアジア系レストランへ足を運ぶのもよいですが、オフィスが入っているビルのカフェテリアで私はサンドイッチを好んで食べていました。サンドイッチは、チェーン店のSUBWAYのように具材を自ら選ぶスタイル。レタス、トマト、玉ねぎなどの野菜、ハム、スモークサーモン、チーズ、たまご、ピクルスなどから好みの具材を好みの量だけ選び、オリジナルのサンドイッチを完成させます。赴任間もない頃、オーダー方法がわからず、見よう見まねで注文していたのですが、色とりどりのたくさんの種類の具材の中に、異彩を放つ、オレンジ色のペースト状のパテを発見。オランダ人の多くが好んで食べているので、何なのかわからぬまま、恐る恐る頼んでみました。その名は、「フィレアメリカン(Filet American)」。
見た目からも名前からも、何ものか全く想像できません。たぶんアメリカ人でもびっくりでしょう。

口に入れると、スパイシーだけど、甘みも感じるクセになりそうな味。
同僚に尋ねると、これはミンチにした生の牛肉に各種スパイスを加え、マヨネーズ等で和えたペースト状のパテの一種とのこと。そもそも海外での生肉はリスキーですし、当時の欧州では狂牛病が話題になっていたので、さらにリスキーです。でも、オランダのナショナルカラーであるオレンジ色の誘惑には勝てず、以降は、2日に1回、フィレアメリカンを注文してしまうのでした。刻んだ玉ねぎと相性が抜群で飽きが来ず、すっかり私のソウルフードになっていました。

あれから20年近くが過ぎ、フィレアメリカンを見る機会さえなくなってしまい、オランダで生活していた記憶もミンチのように断片的になってしまいましたが、私の脳裏には今でもあのオレンジ色がペースト状にべったりと塗られています。
みなさまにも自分だけのソウルフードがありましたら、今度教えてくださいね。

今年1年間大変お世話になりました。
良いお年をお迎えください!


(文責:北海道電力ネットワーク 寺地/CIGRE SCD2 事務局)