その他「ＩＥＥＥ　ＰＥＳ　Ｔ＆Ｄ」

2016年11月15日

┏━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ■　 ニュースレター No.58（夜久様／SCD2国内分科会委員）
┃ 　　 （テーマ：その他）
┗━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

　ダイヘンの夜久です。

　今年のゴールデンウィークに北米テキサス州ダラスで開催された展示会を視察して
きましたので、今回はその内容について記載させていただきます。

　見学した展示会は、「ＩＥＥＥ　ＰＥＳ　Ｔ＆Ｄ」という展示会で、２年に１回開
催されＩＥＥＥ　ＰＥＳが主催する会議・展示会の中でも１０００社近くが出展する
大規模なものです。今年はテキサス州ダラスのコンベンションセンターで５／２～
５／５の４日間開催されました。

　展示会見学に行く前にカリフォルニア州にある太陽光発電所を見学させていただき
ました。太陽光発電所はロサンゼルスから東へ約３００ｋｍの砂漠地帯にありますが、
ロサンゼルスからの道中には大規模な風力発電もあり、土地が広く天候も安定してい
るので再生可能エネルギー発電が盛んな地域なのだろうと勝手に自分で納得していま
した。（たまたまなのか風車がほとんど回っていなかったは気になったのですが）

　今回見学させていただいた太陽光発電所は敷地面積４１ｋｍ2に薄膜太陽光パネル
約９００万枚を敷設し、出力５５０ＭＷというもので日本では想像できないような大
規模なものでした。太陽光発電所のパネル、パワーコンディショナ―、変電設備など
を見学させてもらいましたが、到底歩いて廻れるような規模ではなく、移動してきた
バスでそのまま太陽光発電所のパネルの間を走って所々止まって説明してもらう形式
で、あらためて規模の大きさを感じました（それでも全部は廻っていませんが）。
　色々と太陽光発電所の話を聞いたり見たりしたのですが、その中で特徴的なものを
以下に記載します。

　・日本の太陽光発電所では発電効率を考えて、パネルの掃除を行ったり、パネルの
　　故障監視などを行っていますが、北米では細かいことは気にしないのか、掃除は
　　無し（砂漠地帯で水が貴重なため？）、故障も数カ月に１回程度管理の人が来て
　　確認するのみ

　・パネル枚数やパワーコンディショナ―の数を聞いてみましたが、現地の運転スタ
　　ッフも、「正確な数はわからない」とのことでした。パネルやパワーコンディシ
　　ョナーについても質問しましたが、答えが結構怪しげ（失礼）で細かいことは気
　　にしていないような感じでした。

　・ロサンゼルスからダラスへの移動時に飛行機から何気なく地面を見ていたのです
　　が、ちょうど見学した太陽光発電所が見えた。（ロスから３００ｋｍ離れている
　　ので、結構高いところを飛んでいるはずですが）


　本題の展示会ですが、変電設備、配電設備等色々な設備が展示されており、メーカ
ーもＡＢＢ、ＧＥ、ＳＩＥＭＥＮＳ等の大手から、日本ではあまり名前の知らないメ
ーカーまで大小さまざまなブースに趣向を凝らした展示がされており、１日では廻り
きれず、２日間見て廻りましたが、私が展示会を視察して感じたことをいくつか。

　・展示品についてはカットモデルなどを多く展示しており、中身までオープンに展
　　示している。（そもそも日本の展示会では電力会社の変電・配電で使用する設備
　　の展示自体がほとんどない）

　・北米の都市部では特に地中化が進んでいると聞きますが、地中機器（開閉器や変
　　圧器を水没させて展示している物もあり）の展示品が多いと感じた。

　・カットモデルでオープンに展示しているのに、いくつかのメーカーでは写真を撮
　　ろうとしたら怒られた。（ように感じた）
　　（日本のメーカで勉強しに来たことを説明すると写真を撮らせてくれる場合もあ
　　りましたが）

　・昼時には説明員が自社のブースで平然と食事をしている。（大手メーカではそん
　　なことはありませんでしたが）

　・夕方になると、展示会場の何カ所かでアルコール（ビールやワイン）、おつまみ
　　等の提供が始まり説明員の人たちも飲んだり食べたりしている。（私も過去に日
　　本の展示会で自社製品の説明員をしたことがありますが、絶対想像できません。）


　私は今回初めて海外の展示会視察させてもらったのですが、色々な製品等も見るこ
とができ勉強になったと同時に、日本との文化の違いにも少しは触れることができた
ように思いました。


　最後に、テキサスでの食事と言えばステーキだと思いますが、一度だけ本場のＴボ
ーンステーキを食べるチャンスがありました。年齢のこともあり日本では最近は大き
なステーキは食べませんが、１ポンド？（約４５０ｇ）をとてもおいしくいただくこ
とができました。付け合せのジャガイモ（ステーキと一緒くらい大きいものが丸々１
個ついていました）には全く手を付けませんでしたが。（テキサスではふくよかな人
が多く、なるほどと妙に納得してしまいました）

　ニュースレターというよりは単なる感想文になってしまいましたが、ご容赦くださ
い。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上


（文責：ダイヘン　夜久/CIGRE SCD2 事務局）