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一度はいくべき海外都市「オランダの夜景」

2017年1月10日

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┃ ■  ニュースレター No.61(寺地様/SCD2国内分科会委員)
┃    (テーマ:一度は行くべき海外都市)
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 北海道電力の寺地と申します。

 私の出身地、函館市は観光地として全国でも有名ですが、先日発表された「地域ブ
ランド調査※」では3年連続全国1位に選ばれました。
 この栄えある結果に寄与している観光資源のひとつは、函館山からの夜景の魅力で
しょう。
 幼少から夜景が身近だったせいか、国内外の有名な夜景スポットと優劣を比較して
しまうクセがついてしまいました。あくまで自分基準ですが、函館の方がキレイだな
と、内心ニンマリすることもしばしば。
※「地域ブランド調査」は、1,000市町村及び47都道府県を調査対象とし、全
 国3万人が各地域のブランド力を徹底評価する日本最大規模の消費者調査。
 2016年、ベスト10に北海道から函館、札幌、小樽、富良野の4都市がランク
 イン。

 しかし、十数年前に政府系機関への出向により駐在していたオランダで見た夜景は、
函館人をもうならせるほどでした。
 オランダは、国土のほとんどが海面より低く、山と呼べる山や高層建築もありませ
んので、夜景好きとしてはさびしく感じていました。
 ある日、夜の飛行機に乗り、オランダを上空から眺めると、まるで光のカーペット
を敷き詰めたような風景が広がるのを発見。
 これは「飾り窓」のネオンでもサッカースタジアムの照明でもありません。

 この光については、司馬遼太郎も「オランダ紀行」で書いていますが、トマトやパ
プリカなどの野菜を栽培するためのガラス温室から強く放たれています。東京ドーム
約50万個分にも相当するこの地域(ウエストラント市)は「Glass City」とも呼ば
れるほど。

 これは、高さ10m近くもある全面ガラス張りの巨大温室で、室内の温度や湿度、
水分や栄養分、照明による日照量を全てコンピューターで制御するテクノロジーの塊
です。
 また、必要なエネルギーは、国産天然ガス発電により電気と熱を供給するコジェネ
はもちろんのこと、植物の光合成を促進するため、排気ガスを浄化し、ピュアなCO2
を肥料として再利用する高効率かつリーズナブルなトリジェネで賄っています。


 オランダ型の農業は工業のようであり、温室よりも工場と呼ぶのがふさわしいと感
じます。
 オランダへ旅行する機会がありましたら、夜のフライトで窓際の席を確保し、目に
も眩しい夜景を楽しんでみてください。

 なお、近年、北海道でもオランダの技術を活用した植物工場が開業しています。
 スーパーでオランダ産のパプリカを見かけると、いつの日か北海道でも同じような
風景が広がったらとひそかに期待してしまいます。

                                   以 上

(文責:北海道電力 寺地/CIGRE SCD2 事務局)