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その他「エスニック・ジョーク の世界」

2018年8月21日

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 ニュースレター No.89 (上河様/SCD2国内分科会フェロー)   (テーマ:「その他」)
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 SCD2にてフェローを仰せつかっている上河(元NEC)です。前回もお話ししたようにCIGREのようにインターナショナルなフィールドで活動する上では、それぞれの国が持っている特有の文化(価値観)の違いを理解する必要があります。また海外の人が日本人をどう見ているかを知ることも大切です。
 前回は真面目に国別の文化、思考パターンを分析した研究成果を紹介しましたが硬すぎたので、今回は少しくだけたエスニック・ジョークの世界をご案内したいと思います。
 
 グローバルにおける人種や国毎の文化(主に行動パターン)の違いを分かり易く(ステレオタイプ化して)、ユーモアを含めて説明するジョークをエスニック・ジョークと言います。エスニック・ジョークの世界では、

  アメリカ人=独善的、傲慢、自慢好き
  イギリス人=紳士的、堅苦しい
  ドイツ人=真面目
  フランス人=好色、グルメ
  イタリア人=情熱的
  ロシア人=酒好き、物がない(旧ソ連時代)
で描かれていますが、
  日本人は勤勉、会社人間、高品質へのこだわり、金持ち(バブルの時期)
という特性が誇張されて表現されているケースが多く見られます(あくまでも偏見ではなくユーモアの範囲内で)。
 
 まず手始めに各国の人の特性を表わした代表的なジョークから入りたいと思います(有名なジョークなので知っている人もいるかもしれませんが)。

◆天国と地獄
問1.天国とはどんな世界か?

答1.コックが中国人
    政治家がイギリス人
    エンジニアが日本人
    銀行家がドイツ人
    恋人がイタリア人

問2.それでは地獄とはどんな世界か?

答2.コックがイギリス人
    政治家が日本人
    エンジニアが中国人
    銀行家がイタリア人
    恋人がドイツ人

次に各国の人の行動パターンを表わしたジョークの内、私が気に入っているものをいくつか紹介したいと思います。

◆無人島にて
問.ある時大型客船が沈没し、それぞれ男2人、女1人という組合せで各国の人々が無人島へ流れ着いた。
  それからその島ではいったい何が起こったのだろう?

答.イタリア人:男2人が女をめぐって争い続けた
   ドイツ人 :女は男の1人と結婚し、もう1人の男が戸籍係を務めた
   フランス人:女は男の1人と結婚し、もう1人の男と浮気した
   アメリカ人:女は男の1人と結婚して子供が生まれたが、その後に離婚し、親権を争うためにもう1人の男に弁護士役を頼んだ。
   オランダ人:男2人はゲイであり、結婚してしまった。女は無視された。
   日本人  :男2人は女をどう扱ってよいか、東京の本社に携帯電話で聞いた。
   ブラジル人:3人で楽しそうにカーニバルを始め、飽きることなく踊り続けた
   ロシア人 :女は愛していない方の男と結婚し、3人で果てしなく嘆き悲しんだ

◆遅刻の対処法
問.国際的な学会の場で遅刻してしまったために発表の持ち時間が半分になってしまった場合、各国の人々はどうするだろうか?

答.アメリカ人:内容を薄めて時間内に収める
   フランス人:普段通りで、次の発表者の時間に食い込んでも止めない
   ドイツ人 :普段の2倍のペースで喋る
   イタリア人:普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる
   日本人  :遅刻はありえない

◆早く飛び込め
問.ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。
  船長は外国人乗客たちに速やかに脱出して海に飛び込むように指示しなければならなかった。
  船長はどう指示したか?

答.対アメリカ人:「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
   対イギリス人:「飛び込めばあなたは紳士ですよ」
   対ドイツ人 :「飛び込むのがこの船の規則となっています」
   対イタリア人:「飛び込むと女性にもてますよ」
   対日本人  :「みんな飛び込んでいますよ」

◆最後の望み
問.地球滅亡の前日に思うことは?

答.イタリア人:「愛人とともに過ごそう」
   日本人  :「仕事を今日中に終わらせよう」
   ロシア人 :「今日は二日酔いを気にせずに飲もう」

◆疾走
問.各国の人々が全力で走っている。その理由は?

答.アメリカ人:「健康のため」
   イタリア人:「女性にもてる体格になるため」
   ドイツ人 :「美味しいビールを飲むため」
   フランス人:「「走るな」と言われたため」
   日本人  :「働く体力をつけるため」
   メキシコ人:「追っ手から逃げるため」

日本の品質レベルが高い(時には過剰品質)ことは世界的に有名ですが、日本人の品質に対するこだわりを皮肉ったジョークの代表的なものも、いくつか紹介したいと思います。

◆不良品
あるアメリカの自動車会社が、ロシアと日本の部品会社に次のような仕事の発注をした。
「不良品は1000個につき一つとすること」
数日後、ロシアの工場からメールが届いた。
「不良品を1000個に一つというのは、大変困難な条件です。期日にどうしても間に合いません。納期の延期をお願いします」
数日後、日本の工場からもメールが届いた。それにはこう書かれていた。
「納期に向けて作業は順調に進んでおります。ただ、不良品の設計図が届いておりません。早急に送付してください」

◆技術者の違い
日本とロシアの技術者が、クルマの気密性について話し合っていた。
日本人の技術者の話
「我国では気密性を試すために、猫を一晩クルマに入れておきます。次の日に猫が窒息していたら、気密性は十分だと判断します」
ロシア人の技術者の話
「我国でも気密性を試すために、猫を一晩クルマに入れておきます。そして次の日に猫がクルマの中にいれば、気密性は十分だと判断します」

また最近ではトランプ大統領という愛すべきキャラクターが登場したので、政治ネタのジョークも増えてきています。最後にその一つを紹介したいと思います。

◆ウソ発見器
中国の習近平主席と日本の安倍首相とアメリカのトランプ大統領が、ウソ発見器にかけられることになった。ウソをつくと「ビー」とブザーが鳴る装置である。
はじめに習近平主席が装置に座って言った。
「私はいつも考えています。中国だけでなく世界中が豊かになればいいと」
「ビー、ビー、ビー」
次に安倍首相が装置に座って言った。
「私はいつも考えています。日本と北朝鮮が良き友人になればいいと」
「ビー、ビー、ビー」
最後にトランプ大統領が装置に座って言った。
「私はいつも考えています」
「ビー、ビー、ビー」

 エスニック・ジョークの世界を楽しんでいただけましたか。エスニック・ジョークの世界では過去日本人は勤勉で、品質にこだわり、会社人間で、金持ち(バブル時期)という役柄を演じてきましたが、バブル崩壊で「キャラ変」をして「不思議キャラ」として扱われることが増えてきたようです。勤勉、品質へのこだわりはいつまでも日本人のキャラとして大事にして欲しいと思うのは私だけでしょうか。

【参考文献】
 世界の日本人ジョーク集      早坂 隆  中公新書ラクレ
 続・世界の日本人ジョーク集    早坂 隆  中公新書ラクレ
 新・世界の日本人ジョーク集    早坂 隆  中公新書ラクレ
 世界はジョークでできている    早坂 隆  中公新書ラクレ

(文責: 上河/CIGRE SCD2 事務局)