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海外お役立ち情報 現地裏情報

2019年1月22日

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 ニュースレター No.99 (荻田様/SCD2国内分科会委員)   (テーマ:「海外お役立ち情報」)
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みなさん こんにちは。
東芝エネルギーシステムズ 荻田です。

 これまでに幾つかの国に出張してきましが、今回はインドに関する情報です。インドには3ヶ月間滞在し、週末になると各都市を訪問しました。ここでは、南インド(ベンガロール)の修道院で作るイタリアンチーズについて紹介します。

 ベンガルールには数々のワイナリーがありますが、それと合わせて食べたいイタリアンチーズを作っている場所があります。なんとその 場所が修道院というから驚きです。修道院の名前は、「Gualbert Bhavan」イタリアにある「ABBAZIA DI VALLOMBROSA」を総本山とするベネディクト会の修道院で2002年に建てられたものです。修道院というと修道女シスターがいるイメージが強いですが、ここでは3人の神父と10人の修道士が共同生活を送っています。神父になるためには12年の修行が必要で、彼らは毎日ここで勉強し働かなければならなりません。
 ヒンズー教徒が圧倒的に占めるインドですが、ここにいる修道士たちは、キリスト教徒が20%を占めているケララ州から派遣されています。ケララ州には、インドにおけるベネディクト会の本部があります。驚くことに、そこに所属する神父28人のうち、16人はイタリアの総本山に派遣されているそうです。イタリアでは、神父の高齢化が進み、人手が足りないというのが現状で、我々日本と同じような状況です。
 この修道院内にある教会はケララスタイルの建築で、美しいステンドグラスもケララで制作されています。その為、ヨーロッパで見られる教会内部とはイメージが異なり意外とシンプルです。聖書を読む台は二カ所で、その間にあるランプには、ヒンズー教の儀式などでも使うオイルランプがあるが、しっかりと十字架がアレンジされていました。
 祭壇は二つあり、カーテンで仕切られた先には、十二使徒の1人トマスを象徴した十字架が描かれたハンドペイントグラスがあります。
この修道院は、一般の人にも教会を公開しているので南インド独特の教会内の雰囲気もぜひ見て欲しいです。

【何故チーズ作りを?】
 修道士の教育や慈善活動、修道院を維持していくには、どうしてもお金が必要となります。そこで、イタリアで8年間の修業をしながらチーズ作りも学んできた神父の1人マイケルは、ベネディクト会の許可を得て2003年3人の神父でイタリアンチーズを作り始めたようです。初めは小さなキッチンからスタートし、やがてその評判が広まり、2007年「Vallombrosa」というブランド名で本格的に販売を始めました。今では、ベンガルール内にある5つ星ホテルやイタリアンレストランに卸しているほどの人気に!
 チーズ工房は敷地内にあって、まるで給食センターのように大きな鍋が並んでいました。この鍋で、バッファローミルクを45度で5~6時間煮詰め、煮詰めたミルクを3~4時間置くと、水と油分が分離するので、沈殿した部分だけチーズ作りに使います。
 チーズ作りは、朝9時から始まり冷やすところまで入れればおよそ1日で完成。工房の奥には、5度部屋で1年間発酵熟成させたCaciottaが並んでいました。ちょっとカビ臭い部屋にチーズらしさを感じずにはいられませんでした。

【修道院の見学とチーズの試食も可能】
 この修道院では、無料で修道院の見学とチーズの試食会をしています。せっかくなのでワインを持ち込みたいところでしたが、神聖な場所にお酒は持ち込めないということで、チーズをつけるクラッカーやパンを持参。9種類あるチーズをお腹いっぱい頂きました。

非常に有名なチーズですので、是非、一度、召し上がってみてください。(インドはカレーだけではなかったです。)

(文責:荻田/東芝エネルギーシステムズ株式会社)