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海外のサッカー事情

2019年10月24日

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 ニュースレター No.113 (戸越様/SCD2国内分科会フェロー)   (テーマ:「海外のサッカー事情」)
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既に2回寄稿させて頂いていますが、今回は何を書こうか少し悩みました。
私は、仕事や趣味のアマチュア無線以外でも、サッカーの観戦などで海外に何回か出掛けたことがあります。皆さんにお役に立つかもしれないので、今回はサッカー観戦にまつわる話にしたいと思います。

2006年5月連休に、韓国・仁川市のワールドカップ競技場で開催された、韓国のサッカーリーグ(Kリーグ)、インチョン対光州の試合を息子と観戦しました。
 ソウル訪問は、3回目で、市内観光や、38度線DMZ観光などは経験済みなので、何か他のイベントを経験したいと思いました。インターネットで、ソウルでのKリーグの試合を検索しましたが、旅行期間中には開催されないことがわかりました。早速、ネットの質問コーナーに投稿してみましたら、すぐ親切な方から、4月30日(日)に、近郊の、仁川市(インチョン)で、Kリーグの試合があると回答をいただきました。インチョンは、国際空港があることで有名ですが、黄海に開けた港町でもあります。近郊都市訪問と,Kリーグ観戦の両方楽しめることになります。以下,当時のメモを参考に、Kリーグ観戦記に纏めてみました。

 試合開始は、午後3時である。午前中、時間があるので、ソウル市内観光を少し行い、南山のテレビ塔に登り、ケーブルカーで、明洞まで下り、さらに、昼食にサムゲタンを食べて、いよいよ、インチョンに向かう。明洞から地下鉄に乗り、ソウル駅で、地下鉄一号線に乗り換える。20駅近く過ぎ、豊平駅で、今度は、インチョンの市営地下鉄に乗り換える。
試合は、インチョンのワールドカップスタジアムで行われるが、豊平駅で乗り換えると、周りに、ユニホームを着た若者がちらほら見えたので、安心する。
 ソウル市内を観光すると、看板はほとんどハングルで書かれている。駅名などは、英語で併記されている場合もあるが、当然韓国読みの、英語表記であり、発音がわからないので当てにならない。中国の場合、漢字で表記されているので、地名などは、問題なく識別できる。しかし、ソウル地下鉄の場合は、その当時から、すべての駅に番号が付与されていて、路線案内図を持っていれば、ハングルが読めなくても問題がなく目的駅まで行くことができる。

 ソウル駅から、一時間くらいで、スタジアム駅に到着した。沢山の観客をさばける様に、駅構内は、かなりに広く作られている。車内では気が付かなかったが、結構な人が観戦にきているようで、かなり混み合っている。人の流れについて階段を上り地上に出た。正面に大きなスタジアムが建っている。道路には、屋台のような売店が出て、食べ物や、観戦グッズを売っている。そのまま流れについていくと、どうやら、同時に野球の試合もやっているらしく野球場に来てしまった。試合開始1時間前であり、サッカーの観客は、まだ少ないようだ。あまり人が向かっていないワールドカップスタジアムのほうに歩いた。チケット売り場があり、当日券を買うため、窓口に向かったが、誰も並んでいない。
 窓口の前に、若い男が2人居り、向こうから声をかけてきた。ダフ屋かと一瞬思ったが、ダフ屋が出るほど混んでいない。「息子の分も含めて2枚買いたい」というと、「20000ウォン」という。正規料金である。日本では、S席、SA席などがあるが、一律同料金のようだ。
 切符売り場の近くに、ホームチームのインチョンユナイテッドのグッズ売り場があった。ユニホームやチームカラーのマフラーなどを売っている。ユニホームはライトブルーの縦縞で、アルゼンチンのユニホームに似ている。記念に一枚買うことにした。売店の女の子は、英語でも通じたが、こちらが日本語でしゃべると、日本語で応じてきた。一枚45000ウォンだそうだ。しかも、ユニホームを買うと、試合も無料観戦できるという。「もう少し早く言ってくれれば、切符を買わなかったのに!」と軽く言うと、「それなら、払い戻ししてあげる。」といって、切符売り場に行ってくれ、二人分20000ウォンを取り戻してくれた。

 競技場の中に入ると、まだ、観客席はガラガラで、ゴール裏の大画面表示版とスピーカからの大音響が、ハングルで訳の判らないことをがなりたてている。そうこうしていると、ビジターの光州チームが、練習のためグランドに出てきた。Jリーグと同じようなウォーミングアップをしている。一方のホームチーム、インチョンユナイテッドは、数人が丸くなってボールをまわし、それを、一人もしくは2人が取るゲーム的なことをやっている。こんなので良いのかと思っていると、ようやく、チームのメンバーが出てきた。最初に出てきたのは、控えのメンバーのようだ。

 試合が始まる時間になっても、観客席はほとんど埋まらない。ワールドカップをやるくらいだから、スタジアムの収容人員も3万人以上と思うが、これでは、5000人くらいしか居ない感じである。
 サポータ席も、ビジター側は、数十人程度、ホーム側も100人くらいで、横浜マリノス対浦和レッズ戦のように、スタジアムをチームカラーで埋めるような派手さはない。それでも、太鼓などの鳴り物での応援は迫力がある。
 試合は、ホームチームが前半に一点先制し、その後膠着状態になる展開である。Jリーグと比べて、ボールを奪った後、攻めに切り替わるスピードは速く、攻撃しようという意欲は感じられる。その代わり、パスやドリブルに雑な所があり、直ぐ、攻守が入れ替わる。
 そのうちに、観客席の後ろのほうで、大きな音がして、怒鳴りあう声が聞こえる。観客が皆、その方向を見ている。そのうち、制服を着た人が集まってきて、2人を引き離している。観客は、試合そっちのけで、喧嘩だ、喧嘩だと騒いでいる。
 そうこうしている内に、試合終了直前、ビジターチームが、早いパス回しで、サイドチェンジをし、最後は、ペナルティエリア右側からフリーでクリーンシュートを決め同点にした。それでもかなりの観客が、喧嘩の方を見ている。これも韓国人の国民性なのかと感じてしまった。

 たった一回の、それも地方都市のメジャーではないチーム同士の試合観戦であり、一面的な見方かもしれないが、あれだけワールドカップサッカーで盛り上がった割には、Kリーグの人気が低いこと、韓国人も表面的には、熱狂しているように大声や身振りで示すが、本音の所では冷めているのかなーなどと感じたサッカー観戦であった。

海外サッカー雑感
韓国以外でも、サッカー観戦をしているので、各地で感じたことを簡単に書きます。
① ドイツブンデスリーガ“シュトットガルトvs シャルケ04
さすがブンデスリーガです。テレビで見る通り、プレーの質も高いし、応援も休むことなくファンの自発的な応援で盛り上がっていました。必見です。
② プレミアリーグ“アーセナルvs フルハム”
世界で最も人気のリーグです。昔は稲本選手が属していたフルハムです。なんといっても難しかったのはチケットの入手です。日本で旅行社に頼むと10万円程度の値段になります。友人の友人であるロンドンっ子に頼んで5000円でニュートラル席を入手しました。ただこの席は、両チームのサポータが入り混じった応援席で試合が荒れたときが心配になります。それでも応援で、みんなが床を叩くように踏みつける音は迫力がありました。
③ 北京オリンピック男子サッカー
香川、本田、岡崎などが出場した予選3試合を個人で観戦しました。あいにくの予選敗退でした。
一番困ったのは、現地メディアから日本チームの情報が全く得られないことです。
この時は、日本女子が4位に入り、その後ワールドカップ優勝につながるのですが、
帰国してから、なでしこを観戦するべきだったと感じました。
④ ブラジルワールドカップ2016
関係している札幌のサッカー協会のツアーに参加しました。感じたのは、すべてがワールドカップ料金になっていることです。サンパウロからリオデジャネイロ(約600km)までの航空券は12万円ほどで、サンパウロ―ニューヨークの通常料金並みです。リオのコパカバーナ海岸の3段ベッドのホテルが、素泊まりが1泊2万円/人でした。ドアツードアの移動なので、治安について不安は無かったのですが、街中の一戸建ての住宅でも、隙間なく壁と門で囲ってありました。

(文責:戸越/CIGRE SCD2 事務局)